医療法人社団日高会 様

Introduction Data
| 導入年月 | 2025年1月 |
| 利用ユーザ数 | 8名 |
| 導入形態 | クラウド |
| 導入目的 | 訪問リハビリ業務の効率化、現場入力による残業削減、 情報共有の迅速化、スケジュール調整の最適化 |
Point
スケジュール調整をリアルタイム化し、キャンセル対応を効率化
群馬県高崎市に拠点を構える医療法人社団日高会では、急性期・回復期・生活期にわたるリハビリテーション(以下リハビリ)を幅広く展開しています。そのなかで生活期リハビリの一環として行われているのが「訪問リハビリテーション」です。
日高会で訪問リハビリを実施しているのは、「日高病院」と「日高リハビリテーション病院」の2施設。主に、退院後の患者さまのほか、自力で病院へ通院することがむずかしい状況・地域の患者さまに対して、自宅へ訪問しリハビリサービスを提供しています。
リハビリ部門全体では約100名のスタッフが在籍していますが、そのうち訪問リハビリには現在、日高病院で6名、日高リハビリテーション病院で2名がたずさわっています。訪問リハビリ全体を統括する平石武士さんは、2024年4月に訪問リハビリ部門の責任者に着任しました。そこで目のあたりにしたのが、現場スタッフが抱える“見えない業務負担”でした。
夕方4時に戻っても終わらない
訪問後の膨大な事務作業
『Medicare』の導入前、最大の課題となっていたのは訪問終了後の記録業務でした。訪問リハビリでは、訪問記録だけではなく、計画書・会議録・プロセス管理表・評価表・カンファレンス資料など、多くの書類作成・整理業務が発生します。ところが、これら業務は、すべて病院へ戻ってから入力することになっていました。「夕方4時ごろに病院へ戻ってこないと、定時の5時半には到底終わらない状況でした。6時半過ぎまで残業するのがあたり前になっていました」(以下、発言は平石さん)
また、訪問リハビリに特有の課題として、「キャンセル時の空き時間」もありました。利用者の「体調が思わしくない」「急な予定が入った」などの理由で急きょキャンセルが発生しても、その時間を有効活用する手段が限られていたのです。病院へ戻るには時間が足りず、次の訪問先まで中途半端な空き時間が発生してしまう――。そのような非効率も日常的に起きていたといいます。
さらに、スタッフ間の情報共有にも課題がありました。以前は、訪問先で確認した情報を病院へ戻ってから情報シートへ入力し、それを他スタッフが確認する流れだったため、リアルタイム性に欠けていたのです。特に日高会では、“一人担当制”ではなく“グループ担当制”を採用しています。これは、スタッフごとの経験差によるサービス品質のばらつきを防ぐための取り組みですが、そのぶん迅速かつ正確な情報共有が不可欠です。ところが、この情報共有が十分に行われているとはいえない状況でした。
約10社のシステムを比較検討、「現場で完結できる」ことが決め手に
課題解決に向けて平石さんが動き出したのは、着任早々の2024年6月頃でした。「現場で記録を入力できること」「その場でスケジュール変更できること」「情報共有をリアルタイム化できること」を条件に、使い勝手のよいタブレット活用型システムの比較検討を始めました。当時は国のICT導入支援制度を受けることを想定し、期限の8月までに急ピッチで情報収集を実施。約10社から資料を取り寄せ、10社すべてから話を聞き、そのうちの2〜3社には実際に来訪してもらい、直接デモや説明を受けました。
そのなかで『Medicare』を選定した最大の理由が、「現場で業務が完結する」という思想でした。他社製品にも「タブレットで記録入力できる」システムは存在しました。しかし、スケジュール変更は本体システム側でしか行えない、計画書や会議録は事務所へ戻らないと作成できない、記録だけがモバイル対応で実業務全体は完結しない、といった制約がありました。
一方、『Medicare』では、
・現場でスケジュール調整が可能で、本部との連携もスムーズ
・記録入力だけでなく、本部に戻れば書類作成もアウトプットできる
・患者情報を他のスタッフともリアルタイムで共有できる
・どこでもその日の業務を完結できる
などの点が、現場での運用に非常に合致していたといいます。
「スケジュール管理まで含め現場でできるシステムはありませんでした」
現在、『Medicare』は訪問リハビリの担当スタッフ全員が利用しています。
スタッフは訪問先でタブレット端末を使用し、
・利用者情報確認
・バイタル情報の入力
・訪問記録の作成
・スケジュールの変更
・本部や他スタッフとの情報共有
などの日常的な業務をその場で完結することができます。
利用者情報などは事前に打ち込んであり、バイタル情報や訪問記録などは文字の入力を少なくし、該当項目のチェック欄にチェックを入れることで時間的・労力的に効率的な運用ができるようにしました。従来は巡回訪問のあと病院へ戻ってから行っていた業務の多くが、訪問時や移動の時間などの空き時間を使って処理できるようになったのです。
また、患者情報を開くだけで、過去の訪問内容や申送り事項が全スタッフへ即時共有されるため、グループ担当制との相性も非常によかったといいます。
「以前は病院へ戻ってファイルを開かないと情報の中身がよくわかりませんでしたが、今は患者さまの情報を開けば、リアルタイムに確認できます」
特に効果を実感しているのが、スケジュール調整機能です。訪問リハビリでは、利用者の急な体調不良、ご家族の都合によるキャンセル、スタッフの子どもの発熱・体調不良による急な欠勤など、イレギュラーな事態への対応が日常的に発生します。
以前は急に電話で連絡して調整することもありましたが、現在はチーム全体の予定をリアルタイムで確認しながら、その場で訪問順の変更や代替アサイン(配置・割当て)が可能になりました。「空き時間ができたら、近くの患者さまへ連絡して前倒しで訪問できるようにもなりました」
病院へ戻ることなく現場で調整が完結することで、稼働効率が大幅に向上しています。
導入後の成果として、まず大きかったのが生産性の向上です。以前は16時までしか訪問対応できませんでしたが、現在は17時まで訪問可能になり、1日あたり対応件数が1件分増加しました。訪問リハビリ業界では「1日10単位(件)で優秀」とされるなか、日高会では平均12単位前後まで向上したとのことです。
しかも、訪問単位が増加したにもかかわらず退勤時刻は短縮されました。以前は18時半過ぎがあたり前だった退勤時刻が、現在では18時前と改善されています。「単純に業績が上がって、帰る時間も早くなったのです」
まさに、効率化だけでなく「働き方の改善」にもつながった事例といえるでしょう。
若手スタッフ中心に高い評価
全員が「導入してよかった」
スタッフの多くは20〜30代です。タブレット操作への適応も早く、導入1か月後のアンケートでは、全員が「導入してよかった」と回答したそうです。患者さまとその家族側からの苦情もなく、従来の手書きメモがタブレット入力へ変わった程度の感覚で受け入れられているといいます。
また、患者さまの体調の急変時には、登録された主治医やケアマネジャーなどの情報を即座に確認でき、迅速な医療連携にも役立っています。
「今後は地域包括ケア領域への展開も考えていきたい」
平石さんは、こうも語ります。現在、日高会では訪問リハビリの需要増加に対応するため、増員・増車も進行中です。さらに、病院や診療所など “医療資源”の不足が課題となっている地域では、
・訪問看護ステーションの設置
・訪問診療の強化
・地域医療支援
なども視野に入れています。そのなかで『Medicare』は、今後の地域包括ケアの基盤を支える重要なシステムとして期待されています。
「地域医療を支えるうえでも、『Medicare』は今後さらに活用の頻度や領域が拡大していくと思います」と語ってくれました。
※この記事は、2026年7月時点の情報を元に作成しています
Company Data
| 設立 | 1983年7月 |
| 所在地 | 群馬県高崎市中尾町886 |
| 事業内容 | 総合病院・医院(クリニック)経営。リハビリに関しては急性期・回復期・生活期リハビリ(訪問リハビリを含む)など |
| 訪問リハビリ実施施設 | 日高病院/日高リハビリテーション病院 |
| リハビリスタッフ数 | 約100名(日高会全体) |
| 訪問リハビリ利用者数 | 約90名 |
| Webサイト | https://hidaka-kai.or.jp/ |
※2026年7月時点

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